救急隊員が現場で行うことの一つ、バイタルサインの測定があります。
これは緊急度、重症度を判断するのに非常に重要な観察です。
この記事を読んでいただけると、バイタルサインってそもそもどんな項目があるのか、現場で救急隊員がどのような資器材を使用して緊急度、重症度を判断しているのかがわかります。
結論
まずはバイタルサインとは何を指すのか。
- 意識の状態
- 1分間の呼吸回数
- 1分間の脈拍回数
- 血圧
- 血液中の酸素濃度
- 体温
- 瞳孔径と対光反射
- 心電図波形
では、上記の項目を観察するにはどのような資器材があればいいのか。
一般的な救急隊員が使用している6つの観察用資器材をご紹介します。
- パルスオキシメーター
- 血圧計
- 聴診器
- 体温計
- 検眼ライト
- 半自動除細動器
以上のようなものがあります。
一つ一つ簡単に紹介していきます。
パルスオキシメーター
これは、血液中の酸素の量と脈拍数を測定する機械です。
使用方法はプローブを指先にはさむだけです。
血液中の酸素の量は○○%と表示されます。
一般的に90%以上あれば標準(※年齢や持病等により適切な数値は人により異なる)とされています。
血圧計
これは、よくご存じかと思います。
一般的に「上」と呼ばれている、収縮期血圧が概ね140未満を正常と判断されます。
「下」と呼ばれる、拡張期血圧の数値は、さほど気にしていません。
聴診器
この使用方法は何種類かあります。
- 血圧測定で使用する
- 呼吸音を聞く
- お腹の音を聞く
救急隊の血圧測定は基本聴診で行います。
しかし、電子血圧計でやる場合もあります。
呼吸音を聞いて、異常の有無を観察しています。
お腹の音は腸が正常に動いているかを判断する一つの材料としています。
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体温計
これはもうそのままですね。
現在は非接触タイプの体温計がありますが、より正確な測定のため脇の下での検温を実施していると思います。
検眼ライト
これは目に光を当てて瞳孔のサイズや光に対する反応を観察しています。
瞳孔径が3mm~4mmが一般的に正常値とされています。
左右の瞳孔径の差なども観察しています。
半自動除細動器
これは電気ショックが実施できる機械ですが、今回は「観察」に焦点を当てていきますので、電気ショックに関することは割愛しますので、気になる方は以下の記事をご覧ください。
健康診断等で胸に6か所と手首足首にクリップを挟んで心電図の検査をしたことがあると思います。
それを胸に2か所と左のお腹の辺りに1か所の計3か所シールを貼って簡易的に心電図波形を確認するという観察です。
まとめ
救急隊員は現場で得た情報や、限られた資器材を駆使して、救命のABCと言われるA=Airway(気道)、B=Breathing(呼吸)、C=Circulation(循環)に異常がないか常にチェックしています。
この観察結果をもとに、その人の症状に合った病院の選定へと移っていきます。
それでは、これからも一緒に学んでいきましょう!
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