救急車を呼んだのに、消防車が来た!?なぜ?どうして?
元救急隊員が簡単解説します。
119番通報して、救急車を呼んだのに救急車ではなく消防車が来たことありませんか?
「あの、救急車を呼んだんですけど?」
そんな質問した方もいるのではないでしょうか。
え?大丈夫?間違えた?
大丈夫です。消防車が来た理由がきちんとあります。
この記事を読んでいただけると、なぜ救急車ではなく消防車が来たのか。そして救急車は来るのか。
なぜ?どうして?がすべて解決します。
結論
まずは、結論です。
「近くに救急車がいない」
これが理由です。
では深掘りしていきましょう。
PA連携
先日、以下のツイートをしました。
これはPA連携と言います。
- P=Pumper ポンプ車
- A=Ambulance 救急車
ポンプ車(消防車)と救急車の頭文字を取ってPA。
そして、両者が一緒に活動することから連携。
それでPA連携です。
では、なぜ消防車が来るのか簡単解説します。
消防車が来る理由
119番通報して、ケガ人や急病人であるとわかれば救急車は必ず出動します。
それに加えて以下の場合に消防車も出動します。
- 通報の内容から重症であると予想される場合。
- 近くに救急車がおらず、救急車の到着まで時間がかかる場合。
上記以外にもあるかもしれませんが、だいたいがこの2つの場合にPA連携として救急車と消防車が出場します。
重症と予想される場合
重症って具体的にどんな状態のことか、簡単に説明します。
- 胸が痛くて息苦しい。
- 意識がない。
- 大きなケガ等をしている。
通報の段階で、上記の内容だった場合にPA連携となる場合が多いです。
近くに救急車がいない
結論でお伝えしたことです。
救急車の出場件数は年々増加しています。
自分が救急車を呼んだ時、近くの救急車が他の現場で活動中の為、いないということはよくあります。
遠くの救急車が現場に向かう場合、近くの消防署に待機している消防車も現場に向かう場合があります。
消防車が来てから、そのあと救急車も来たと思います。
大きなケガ等
大きなケガとはどんなケガなのか。
- 高所から落ちた。
- 電車にひかれた。
- 衝撃の強い交通事故。
- 薬を大量に飲んだ。
- 自分や他人を傷つける行為。
だいたい上記の状況であれば消防隊も出場します。
消防隊は何ができるの?
では、先に到着した消防隊は何ができるのでしょうか。
一番のメリットは心肺停止状態の方への心肺蘇生です。
心肺停止状態は早期に心肺蘇生に着手することで救命率は全然違ってきます。
消防隊であっても、適切な心肺蘇生の訓練を受けています。
その他に、必要な情報聴取をして後着した救急隊へ引き継ぐことで早期に病院選定が可能となります。
まとめ
PA連携という言葉を聞いたことない方たくさんいると思います。
実はPA連携の歴史は自治体にもよりますが、10年程度経過しているのです。
私が消防車に乗った時、PA連携での出場を何度もしたことがあります。
「救急車を呼んだのに、なぜ消防車が来たんですか?」
この質問は数えきれないほどされました。
その都度、上記の理由を簡潔に説明させていただき納得していただいていました。
今後も救急需要は増加する一方だと思います。
それに伴い、PA連携の機会も増加していくと思っています。
↓こちらも是非参考にしてください↓
それでは、これからも一緒に学んでいきましょう。
コメント